テクニカルディレクションは“翻訳”と“設計”
近年、テクノロジーの進歩はめざましいものがあります。
さまざまな企業が変革や進化の可能性を感じている一方、最新のテクノロジーをキャッチアップし続けながら事業へ転用していくことは非常に困難です。
この問題を解決する糸口となるのが、テクニカルディレクションです。事業やアイデアなど『実現したいコト・モノ』から『必要なテクノロジー』を逆引きするスキルを、我々はテクニカルディレクションと呼んでいます。プログラミングなどの実装とはまた違った、テクノロジーとデザイン、あるいはテクノロジーとビジネスの間をつなぐ“通訳”のようなスキルです。
また、テクニカルディレクションは“設計”のスキルでもあります。実現の難易度が高かったり、ゴールが明確でなかったり、不確定要素が多いプロジェクトほど『何を作るか』という企画と『どうやって作るか』の設計をセットで考え、相互作用しながら組み立てていくことが重要になります。
2つの課題
現状、テクニカルディレクションには大きく2つの課題があります。
1つ目は、テクニカルディレクションへの理解が不十分であることです。一部の業界では浸透し、テクニカルディレクションを専門的に行う“テクニカルディレクター”という職種が存在しますが、その認知度はまだ高くありません。
2つ目は、知識や経験を補い合うコミュニティが存在しないことです。昨今、横断的な知識が求められることが増えてきましたが、優秀なテクニカルディレクターであっても、全ての技術分野をカバーすることは到底不可能です。
TDAの目的
そこで我々は、2020年12月、テクニカルディレクションを行う人達を支援する一般社団法人テクニカルディレクターズアソシエーション(Tech Director's Association、通称TDA)を立ち上げました。
さまざまなプロジェクトに適切なタイミングでテクニカルディレクターが参画することで、その価値を最大化できることを知っていただけるよう、TDAは「テクニカルディレクション」の重要性を認知してもらうための広報活動を行います。
そして、得意分野の異なるテクニカルディレクターが集まるコミュ二ティを運営します。質の高い技術情報を定期的にシェアしたり、互いに相談しやすい場を設けることで、新たな気づきを得てそれぞれが成長し続けられるだけでなく、新しいテクニカルディレクターを育てられる土壌をもつくりたいと考えています。